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2010/12/18

イタリア動物愛護事情(1)

固定リンク | by:おかめ

私たちの進むべき方向性を模索するにあたり、海外の動物行政のあり方や動物福祉事情、その効果や問題点をまず知ることが必要だろうと思います。

成功例も失敗例も含めて、まず情報を収集し、私たちのこれからの施策にとっての生きた教科書とすることが肝要でしょう。

そっくり真似ることはできません。
それぞれの国の文化や実情に合わせて、採用できる部分とそうでない部分を冷静に見極めていかねばならないだろうと思うのです。

アメリカや日本に比べ、動物福祉において先進的なヨーロッパ。

その一例として、イタリアの動物愛護行政の一端をご紹介します。

イタリアは1991年に殺処分ゼロ、行政によるノーキルを実現した国です。
イタリアは動物愛護法で野良犬猫の頭数管理の必要性を明記し、国をあげての取り組みを決意し、3カ年計画で予算を計上し実行しました。

指針を打ち出したのは国ですが、各州のASL(保健センター)が中心となって、動物行政を推進しています。

ASLには獣医療セクションを有するセンターがあり、そこで各種予防接種、マイクロチップ埋め込み、登録、飼い主のいない犬猫の里親捜しなどを行っています。

たとえば、北イタリア、ピエモンテ州ですが、州のASLが作成した市町村向けの地域猫チラシには、こんなふうに書いてあります。

***************************
                                   ピエモンテ州 ASL
 
     ○○○ 市の皆様へ

地域猫は街の財産です。
猫たちは市長の保護下にあり、法律で守られ、フ-ド・寝床・医療ケアを受ける権利を有します。
いかなる虐待も許されません。
地域住民、猫の安全のために保健センター(ASL)が介入するケースを除き、強制移動も違法行為にあたります。
動物虐待については、市が刑法第189条違反に基づき告発します。


______(住所)の地域猫は、_______(ボランティア団体名)によって保護・管理されています。

***************************

毎月数十から数百の野良猫の不妊手術を行っているASL行政。

野良猫の頭数管理、TNR(捕獲・手術・もとの場所へ戻し世話する)の推進を支えるのは、地元のボランティアさんの行動力と熱意であり、住民の「いのち」への感受性の高さと、温かい理解に他なりません。

ボランティアはASLや市町村に登録した、きちんとした団体でなければならず、不妊手術が終わったあとは、コロニーの住所地と猫の特徴を明記し、獣医さんのサインの入った地域猫登録書を行政に提出します。


その効果あって、北イタリアでは野良猫が激減し、猫は地域の世話と管理によって、
穏やかに住み慣れた場所で命をまっとうしています。

ただし、南部イタリアや島ではこの「地域猫」も「野犬保護」もうまく機能しているとは言い難く、気候や経済や教育の問題もからんでいて、行政も住民も解決に苦慮しているという実情があります。(地域性というものはどんな国にもあるものです。)

州や県により条例も微妙に異なりますが、国の法律でど~んと「殺処分ゼロ」「飼い主のいない犬猫の頭数削減」をうたっているわけです。

州も市も住民も、目の前のいのちに何をしてやればよいか、の答えを国からもらっているわけです。行政に相談窓口もあります。
(もちろん、手術の申し込みをしても順番がなかなか来ない、などのクレームはあり、問題もないわけではありませんが、)国がはっきりと指針を出している、というのが、日本との大きな違いです。

殺すのはやめましょう、TNRをしましょう、
野良猫は地域で見守りやさしく数を減らしていきましょう、と。

イタリアはどうしようもない部分も持つ国ですが、あの愛護法には拍手を送りたいです。

産業動物や実験動物の福祉にはまだまだ到達できない日本ですが、
せめて(わかりやすい)愛護動物のいのちにくらい、やさしくあれ、と願います。
12:09 | 投票する | 投票数(10)
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